弊社は大阪市内に店舗を構えるインカム販売店で、営業の私は毎日どこかの介護施設や老人ホーム、医療施設で営業をしております。
さて、今回は「介護施設や老人ホームにおすすめのインカム・トランシーバー」をご紹介します。1分でインカムの利便性がわかる動画もございますので、導入をお考えの方は参考にしてください。
また、介護ロボット・ICT補助金の採択率を高めるアドバイスも可能ですので、補助金申請にご興味のある方はお問合せくださいませ。
【実話】インカムはコロナ発生時の心強い相棒
さて、インカムはコロナ発生時の心強い相棒になります。これは実際の出来事の一部始終です。
以前、兵庫県の特別養護老人ホームにインカムを導入頂きました。「いつも人手が少ないと嘆く、スタッフ間の連携が簡単になれば」との理由で採用されました。
インカムを納品して3ヶ月経った寒い冬のある日、私の携帯電話に事務長さんから着信がありました。電話に出ると、大変慌てた声で「インカムの調子が悪いから、すぐ来てほしい!」と電話口で叫んでおられます。
当日、予定が埋まっていた私は「今週は動けないので、来週明けの朝イチに伺います」とお返事したところ、「それでは遅い!実は施設でコロナが出てしまって、インカムでスタッフ全員と連絡を取らないと仕事が回らない!とにかく、すぐ来てほしい」と懇願されました。
そこで上司に相談して当日の予定をキャンセル、急いで施設に向かいました。施設に到着すると、事務長さんが困ったお顔で「いやぁ、大変だよ。スタッフと連絡を取るのが、これほど大変だと思わなかった。施設でコロナが出たら、内線やPHSでは間に合わない」とおっしゃいます。
私がインカムを点検したところ、バッテリーの不調が原因でした。バッテリーの交換で元通りになったインカムを、事務長さんにお渡しして帰ろうとしたところ、「本当に助かった!ありがとう」と今まで拝見した事がない晴々したお顔で見送っていただきました。
この仕事を始めて約5年が経ちますが、ようやくお客様の本当の課題を解決できた実感を得る事ができました。
【介護施設インカム】導入費用は?補助金は出るの?
さて、介護施設(特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・サービス付き高齢者向け住宅・介護有料老人ホームなど)にお勧めのインカムをご紹介します。近年は自治体の補助金でインカムが購入できる様になり、人手不足の解消へ期待が高まっています。
ただし、一言で「介護施設」と言えども、小規模なデイサービスから大規模な事業所まで様々です。使用場所や通話距離に応じて、お勧めするインカムも異なりますので、大まかなところからお話します。
また、介護関連のWebサイト【フクロウ介護】の記事もご参照ください。【介護施設のインカム】現場の「見える化」に貢献します!
インカム導入事例とメリット・デメリット
さて、私が担当させて頂いている介護事業所にて、インカムの使用前と使用後のアンケートを書いて頂きました。
こちらを参考にして頂きながら、「ご自身の職場にインカムが必要なの?」をお考え頂ければと思います。
【使用前に困っていたこと】
- 「誰が」「どこで」「何をしているのか」把握できず、施設を走り回って確認していた
- 同僚のスタッフを呼ぶために、大声を出すのが恥ずかしい
- 目の前の入居者さん対応でPHSに出られない
- 入浴介助中にヘルプを呼べない
- コミュニケーション不足で新人がすぐに辞めてしまう
- デイサービスの送迎車が今どこを走っているのかわからない
- 「人手不足だからできない」の言い訳が許されていた
【使用後に改善されたこと】
- 「誰が」「どこで」「何をしているのか」を把握でき、全体が見える様になった
- マイクに小声で話せば全員に聞こえるので、気楽にヘルプを呼べる
- 忙しくてインカムで話せなくても、近くのスタッフが替わりに返事してくれる
- インカムで業務以外のちょっとした冗談が話せて、チームワークが高まった
- 全員で新人スタッフをフォローする仕組みづくりができた
- 施設と送迎車で通話できるので、現在地や渋滞情報の共有にも使える
- 「人手不足は全員でカバーする」ことで、スタッフの雑念を解消できた
【インカム導入に当たって不安なこと及びご提案内容】
- 急に大きな金額を払えない → リース契約で毎月の支払いを抑えましょう
- 耳の穴に差し込むイヤホンは痛い → 様々な形のイヤホンをご用意します
- イヤホンを他人と共有したくない → イヤホンはスタッフ毎に揃えましょう
- バッテリー切れが心配だ → 満充電の状態で約12~15時間稼働します
- 本体が重くて動きづらい → ポシェットやポーチに入れてご使用ください
いかがでしょうか、こちらでご紹介した課題は多くの事業所様で起こっていることかと思われます。インカムを導入されることで、現場の課題が解決される見通しが立つのではないでしょうか。
おすすめのインカムと費用とは?
使用場所 | 通話距離(見通し) | お勧めのインカム |
---|---|---|
1フロアのみ | 10 ~ 20m | 特定小電力トランシーバー |
2~3フロア | 20~100m | 特定小電力トランシーバー(中継器) |
3フロア以上 | 100~300m | 登録局無線機 |
こちらが介護事業向けにお勧めのインカムの概要ですが、「特定小電力トランシーバー」や「登録局無線機」と言われてピンと来るのは、普段からインカムや無線機に接している方だけで、ほとんどの方は名前すら聞いたことがないと思われます。
そこで、次にそれぞれのインカムの特徴を簡単に表にまとめてみました。
インカムの種類 | 特定小電力トランシーバー | 特定小電力トランシーバー +中継器 |
登録局無線機 |
---|---|---|---|
通話距離 (見通し) |
10~100m | 10~200m | 10m~2km |
資格・免許 | 不要 | 不要 | 不要 |
機器価格 (1台あたりの目安) |
約1~3万円 | 約5~8万円 | 約4~6万円 |
ランニングコスト (1台あたり年間の目安) |
不要 | 不要 | 400円 |
同時通話 | ○ ※機種による |
○ ※機種による |
× |
音質 | △ | △ | ○ |
防水・防塵 | ○ |
○ | ◎ |
主な導入業種 |
飲食店・警備 |
飲食店・アパレル | 介護施設・工場 |
インカムの特徴はご理解頂けたでしょうか。1番のネックは通話距離ですので、「通信相手との距離がどれくらいあるのか」を念頭に置いて選んで頂ければ、後は「どの機種にするか」だけが残された課題と言えます。
1)1フロアのみで通信をお考えの方
機種名 | FTH-314 | DJ-P221 | IC-4300 |
---|---|---|---|
通話距離 (見通し) |
10~100m | 10~100m | 10~100m |
資格・免許 | 不要 | 不要 | 不要 |
機器価格 (1台あたりの目安) |
約1~3万円 | 約1~3万円 | 約1~3万円 |
ランニングコスト (1台あたり年間の目安) |
不要 | 不要 | 不要 |
中継機対応 | ○ |
○ |
○ |
音質 | △ | △ |
△ |
防水・防塵 | ◎ |
◎ |
○ |
1フロアのみで通信をお考えの方には、特定小電力トランシーバーをお勧めします。
資格や免許が不要なインカムで、購入された当日からご使用が可能です。通信距離は見通し100~200mですが、建物の1階と3階など少し離れた場所や、建物や重機の陰に隠れた場所では電波が届かずに、満足な通信ができない場合もあります。
介護事業所では、入居者さまの対応の邪魔にならない様にコンパクトなインカムを好まれる傾向が強く、弊社ではご要望に応じた機種のご提案が可能です。
2)2~3フロアで通信をお考えの方
機種名 | FTR-400 | DJ-P111R | IC-RP4100 |
---|---|---|---|
通話距離 (見通し) |
10~200m | 10~200m | 10~200m |
資格・免許 | 不要 | 不要 | 不要 |
機器価格 (1台あたりの目安) |
約4~6万円 | 約4~6万円 | 約4~6万円 |
ランニングコスト (1台あたり年間の目安) |
不要 | 不要 | 不要 |
対応機種 ※参考例 |
FTH-314 |
DJ-P221 |
IC-4300 |
音質 | ○ | ○ |
○ |
防水・防塵 | × |
× | × |
2~3フロアで通信をお考えの方には、特定小電力トランシーバー+中継機をお勧めします。
事務所とお部屋のフロアが異なる場合など、特定小電力トランシーバーだけでは電波が届かない場合、階段の踊り場などに中継器を設置することで、通信距離を拡大することができます。
とはいえ、2~3フロアの通信が精一杯で、施設によってはカバーし切れない可能性も十分に考えられますので、導入前にデモ実験をされることをお勧めします。
3)3フロア以上で通信をお考えの方
機種名 | VXD1 | TPZ-D553 | IC-DPR3 |
---|---|---|---|
通話距離 (見通し) |
10m~1km |
10m~2km | 10m~1km |
資格・免許 | 必要 | 必要 | 必要 |
機器価格 (1台あたりの目安) |
約3~4万円 | 約4~6万円 | 約3~4万円 |
ランニングコスト (1台あたり年間の目安) |
400円 | 400円 | 400円 |
同時通話 | × |
× |
× |
音質 | ◎ | ◎ |
◎ |
防水・防塵 | ◎ |
◎ |
◎ |
3フロア以上で通信をお考えの方には、登録局無線機をお勧めします。
こちらは大規模な事業所で使用されています。特定小電力トランシーバーとの大きな違いは、その圧倒的なパワー(特定小電力トランシーバーの100~500倍)です。音質も非常にクリアで、何度も聞きなおすストレスからも解放されます。
一方、デメリットとして事前に登録申請(法人/個人)とランニングコストが必要であること、介護事業所で使用されるには少々パワーが強すぎることがデメリットとして挙げられます。
介護事業所にてインカムの導入をご検討されていらっしゃる方は、事前にデモ実験をされることをお勧めします。デモ実験のご相談やお見積もりは下記からお待ちしております。
関西近隣の介護ロボット・ICT関連の補助金情報
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【ご提案】施設見学に行きませんか?
さて、ここまで介護施設とインカムの話をご紹介しましたが、「今ひとつ実感がわかない・・」というのが正直なところではないでしょうか。「インカムを使ったこともないし、お金をかけるだけの価値はあるのか?」とお考えになるのが普通です。
そこで、弊社ではインカム導入に本気で頭を悩ませていらっしゃる方を対象に、既にインカムを使っておられる介護施設に見学ツアーをご用意しております。インカムの使い勝手や現場スタッフの方の感想など、聞きたいことは遠慮なく質問して頂いて構いませんし、弊社から営業をすることも一切ありません。
ただし、施設見学にご招待させて頂くかどうかは、弊社だけでは判断できません。場合によってはお断りさせて頂くケースもございます。「それでも構わない」とおっしゃって頂ける施設様に限り、ご検討頂ければ幸いでございます。